横浜や神奈川で店をやっていると、外国人のお客様は来るのに、東京ほど多くないと感じていないでしょうか。東京に泊まり、日帰りで足を延ばすお客様が多いのは確かです。
結論から書きます。神奈川県を訪れる訪日客は2025年に381.0万人で、全国6位です。横浜市に泊まる外国人は、アメリカが2割を超え、全国の顔ぶれとは大きく違います。国ごとに店を探す場所が違うため、来る前に見つけてもらえる入口を、国に合わせて用意することが大切です。
数字はすべて神奈川県・横浜市・観光庁・国土交通省・日本政府観光局(JNTO)の公表資料から引いています。
神奈川県を訪れる訪日客は381.0万人、全国6位です
まず規模からです。観光庁の調査では、2025年に神奈川県を訪れた訪日外国人は381.0万人でした。訪日客の9.3%が神奈川県を訪れた計算です。都道府県別では、東京・大阪・千葉・京都・福岡に次ぐ全国6位です(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年暦年 都道府県別集計表)。
県全体の観光客も増えています。神奈川県の調査では、2025年の入込観光客数(観光客の延べ人数)は2億1,736万人で、過去最高でした。県は理由の一つに、外国人観光客の増加を挙げています(出典: 神奈川県「令和7年入込観光客調査の概要」)。
横浜市に泊まる外国人は、アメリカが2割を超えます
横浜ならではの事情が、泊まるお客様の顔ぶれです。横浜市の集計では、2025年の市内の外国人延べ宿泊者は96万9,196人泊でした。国・地域別の割合は次のとおりです(出典: 横浜市「国・地域別外国人延べ宿泊者数年別推移」)。
- 1位 中国……24.3%
- 2位 アメリカ……21.6%
- 3位 台湾……9.8%
- 4位 韓国……5.5%
- 5位 オーストラリア……5.3%
全国と比べると違いがはっきりします。JNTOの統計をもとに計算すると、2025年の訪日客のうちアメリカは7.7%、オーストラリアは2.5%でした。韓国は22.2%、台湾は15.8%です(出典: JNTO「国籍/月別 訪日外客数」)。数え方が違うため単純には比べられませんが、横浜ではアメリカとオーストラリアの比重が全国より高く、韓国・台湾の比重は低くなっています。なお、この宿泊統計には出張や会議で泊まる人も含まれます。
海外から来た旅行者の約半数は、横浜の外に泊まっています
横浜市は、市内の観光地で旅行者に聞き取り調査をしています。2025年度の調査では、旅行中に宿泊している海外在住の回答者のうち、横浜市内では「0泊」が49.3%でした(出典: 横浜市「令和7年度 横浜市観光動態消費動向調査報告書」)。東京など市外に泊まり、日中に横浜を訪れるお客様が多いことがうかがえます。
一方で、海外在住の回答者の52.6%は、市内で4か所以上の観光地を回っていました。限られた時間で、いくつもの場所を歩いて回るお客様の姿が見えてきます。
店を選ぶ時間が短いお客様が多いため、来る前や街を歩きながら「ここで食べよう」と決めてもらえるかが、来店を左右します。
クルーズ船の寄港は、横浜港が全国1位です
神奈川のもう一つの特徴が、船で来るお客様です。国土交通省によると、2025年のクルーズ船の寄港回数は横浜港が209回で、全国の港で1位でした。内訳は、外国の船会社の船が105回、日本の船会社の船が104回です(出典: 国土交通省「訪日クルーズ旅客数及びクルーズ船の寄港回数(2025年確報値)」)。
日本の船会社の船は、日本人のお客様が中心です。外国の船会社の船が寄港する日は、外国人のお客様が港から街へ出てきます。船の客は、寄港中の限られた時間で食事の場所を決めます。横浜市が公開している客船の入港予定で、外国の船が入る日を把握しておくと準備がしやすくなります。
2026年は全国で中国が減り、韓国と台湾が伸びています
2026年の全国の流れも見ておきます。JNTOの統計をもとに計算すると、2026年1〜9月の訪日客は、中国が55.5%減、韓国が21.6%増、台湾が19.1%増でした。アメリカは5.2%増、オーストラリアは2.2%増です(出典: JNTO「国籍/月別 訪日外客数」)。
横浜の2026年の統計はまだ出ていませんが、横浜市の外国人宿泊者で最も多いのは中国です。中国のお客様だけをあてにした計画は立てにくいため、比重の高いアメリカ・オーストラリアと、全国で伸びている韓国・台湾の両方に目を向けておきます。そうすると、来店の波をならしやすくなります。
店を探す場所は、国によって分かれます
観光庁は、出発前に役に立った情報源を国籍別に集計しています(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」)。横浜で多い国を並べます。
- 中国……1位 SNS49.4%、2位 動画サイト24.4%
- アメリカ……1位 動画サイト43.0%、2位 自国の親族・知人35.6%、3位 SNS35.4%。口コミサイト(トリップアドバイザー等)も18.6%
- 台湾……1位 動画サイト45.5%、2位 SNS42.7%
- 韓国……1位 SNS47.1%、2位 動画サイト43.8%、3位 個人のブログ42.9%
- オーストラリア……1位 動画サイト43.9%、2位 SNS38.4%、3位 自国の親族・知人36.0%。口コミサイトも22.9%
アメリカとオーストラリアの旅行者は、口コミサイトも使います。地図アプリや口コミサイトに英語の口コミがあることが、店を選んでもらう手がかりになります。同じ報告書では、日本滞在中に役に立った情報の2位が「飲食店」で、アメリカは60.8%、オーストラリアは61.5%でした。
韓国は、個人のブログが4割を超えるのが特徴です。韓国の旅行者は訪日前にNAVER(韓国最大級の検索・口コミ媒体)で店を調べるため、NAVERブログの来店記事が入口になります。中国本土ではGoogleやInstagramが原則使えないため、中国のお客様には大衆点評(中国の口コミ・地図サービス)などの店舗情報が土台になります。
横浜・神奈川の飲食店は、この順番で進めると迷いません
- 地図アプリの店舗情報を、英語でも整える。営業時間・定休日・写真・メニューを最新にします。比重の高いアメリカ・オーストラリアのお客様や、街を歩きながら店を探す日帰りのお客様の土台になります
- 短い滞在でも注文しやすくする。写真つきのメニューや、指さしで注文できる案内を用意します。日帰りや船のお客様の助けになります
- 外国の客船が入る日を把握する。市の入港予定を確かめ、人の配置や仕込みに生かします
- 韓国・台湾向けの入口を作る。横浜では比重はまだ小さいものの、全国で伸びが続く市場です。韓国はNAVERブログ、台湾はInstagramなどのSNSで、来る前に見つけてもらえる状態にします
- 中国向けの店舗情報は、状況を見ながら整える。宿泊者の最多は中国ですが、2026年は全国で大きく減っています。大衆点評などの店舗情報を整え、戻ってきた時に備えます
- 成果を測る。来店客に国籍を聞き、月ごとに記録します。どの入口が効いているかが見えると、次の一手を選べます
まとめ——横浜・神奈川は「欧米の客と日帰りの客に、来る前に選んでもらう」街です
神奈川県の訪日客は全国6位の381.0万人で、横浜市の外国人宿泊者は中国とアメリカがそれぞれ2割を超えます。
まずは地図アプリの情報を英語でも整え、欧米のお客様と日帰りのお客様に見つけてもらうこと。そのうえで、全国で伸びている韓国・台湾向けの入口を作ること。この順番が、横浜・神奈川の店にとって無理のない進め方です。
RED BOOSTは、韓国のNAVERブログや台湾・香港のInstagramなど、アジアの旅行者が店を探す媒体での来店PRを支援しています。横浜・神奈川の店舗様からのご相談も承っています。
この記事は、飲食店のインバウンド集客を支援する
RED BOOST が、公的統計や公式資料をもとにまとめたものです。数字は「参考・出典」のリンク先で確認できます。
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