北海道の飲食店には、ほかの地域にない特徴があります。観光客全体は夏に多いのに、外国人のお客様は冬に多いことです。
結論から書きます。北海道を訪れる外国人は、韓国と台湾の2市場で半分を超えます。札幌では、12月から2月の3か月に、1年間の外国人宿泊者のおよそ4割が集まります。狙う相手と時期がはっきりしているぶん、準備の順番も決めやすい地域です。
本記事では、顔ぶれと季節の波を公的統計で確かめ、「どの媒体に、いつ情報を置くか」までをつなげます。数字はすべて観光庁・北海道庁・札幌市の公表資料から引いています。
北海道は、訪日客の7%あまりが訪れる地域です
まず規模からです。観光庁のインバウンド消費動向調査によると、2025年に北海道を訪れた訪日外国人は300.9万人でした。訪日客全体に占める訪問率は7.32%で、47都道府県のうち9位です(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年暦年 都道府県別集計表)。
北海道庁の調査でも、数字は伸びています。2025年度に北海道を訪れた外国人は約331万人で、前年度から16.9%増えました。これまで最多だった2018年度の312万人を超え、過去最高です(出典: 北海道「北海道観光入込客数調査報告書 令和7(2025)年度」)。
北海道を訪れる外国人は、韓国と台湾で半分を超えます
次に顔ぶれです。同じ北海道庁の報告書に、国・地域別の人数が載っています(出典: 北海道「北海道観光入込客数調査報告書 令和7(2025)年度」)。
- 韓国……103.6万人(構成比31.3%・前年度比23.4%増)
- 台湾……71.8万人(21.7%・18.7%増)
- 中国……41.2万人(12.5%・10.5%減)
- 香港……17.3万人(5.2%)
- アメリカ……17.2万人(5.2%)
- タイ……14.7万人(4.4%)
韓国と台湾を足すと53.0%です。アジア全体では約84%を占めます。
2018年度と比べると、韓国は41.7%増、台湾は20.8%増、中国は41.9%減です。当時は中国が70.9万人で、韓国の73.1万人とほぼ並んでいました。いまは韓国と台湾が中心です。
人数は韓国が最多、宿泊の延べ数は台湾が最多です
人数と宿泊の延べ数とでは、1位が入れ替わります。2025年度の外国人の宿泊客延べ数は、北海道全体で1,038.2万人泊でした。国・地域別では、台湾が23.0%で最も多く、韓国は18.7%、中国は14.2%です(出典: 北海道「北海道観光入込客数調査報告書 令和7(2025)年度」)。
韓国の方は短い日程で来る人が多く、台湾の方は長く滞在する人が多いと読めます。長く滞在する人ほど、旅行中に外で食べる回数が増えます。人数だけを見て韓国に絞らず、台湾も視野に入れておくほうが、北海道の実態に合います。
地域で見ると、外国人の宿泊客延べ数の72.5%を、札幌を含む道央圏が占めました。
札幌では、東南アジアの合計が中国を上回ります
札幌市も、外国人宿泊者を国・地域別に公表しています。2025年度の外国人宿泊者数は約248.8万人で、前年度から14.1%増えました(出典: 札幌市「2025年度札幌の観光動向に関する調査結果について」)。
- 韓国……27.8%(前年度比17.6%増)
- 台湾……18.8%(30.1%増)
- 中国……16.5%(10.5%減)
- タイ……6.0%(53.6%増)
- 香港……5.4%
- アメリカ……4.1%
札幌で目を引くのは東南アジアです。タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシアの5か国を足すと17.6%になり、中国の16.5%を上回ります。フィリピンは前年度から60.6%増、マレーシアは38.1%増と、伸びも目立ちます。
観光客全体は夏に多く、外国人客は冬に多い
北海道ならではの事情が、季節の波です。札幌市の同じ調査から、月別の構成比を並べます(出典: 札幌市「2025年度札幌の観光動向に関する調査結果について」)。
- 観光客全体……最も多い月は8月(12.5%)。4〜9月で年間の60.0%
- 外国人宿泊者……最も多い月は12月(14.0%)。1月は13.3%、2月は11.9%で、10〜3月が年間の61.2%
外国人宿泊者は、12〜2月の3か月だけで年間の39.1%にのぼります。観光客全体とは、山の位置が逆です。
札幌市は同じ資料で、夏と冬の繁閑差が約2倍あり、通年でならすことが課題だと書いています。観光客全体が減る冬に、外国人のお客様は増えます。冬の席を埋める力になるのが、外国人客です。
北海道全体でも同じ傾向です。2025年度の外国人来道者は、1〜3月が129万人で最も多く、4〜6月は51万人でした(出典: 北海道「北海道観光入込客数調査報告書 令和7(2025)年度」)。
旅行者は出発前に店を調べます。冬に読まれたい記事は、秋のうちに出しておく必要があります。
店を探す場所は、国ごとに違います
相手と時期が決まったら、次は場所です。観光庁は、出発前に役に立った旅行情報源を国籍別に集計しています(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」)。
- 韓国……1位 SNS47.1%、2位 動画サイト43.8%、3位 個人のブログ42.9%
- 台湾……1位 動画サイト45.5%、2位 SNS42.7%、3位 個人のブログ29.0%
- 香港……1位 動画サイト48.8%、2位 SNS40.8%
- 中国……1位 SNS49.4%、2位 動画サイト24.4%
- タイ……1位 動画サイト44.9%、2位 SNS44.1%
全国籍・地域の平均では、個人のブログは23.9%です。韓国の42.9%は、その2倍近くにあたります。北海道でいちばん人数の多い韓国の方は、ブログを読んで店を決める人が多い市場です。
韓国でブログといえば、検索サービスNAVERの中にあるNAVERブログが中心です。台湾・香港の方にはInstagramなどのSNS、中国の方にはRED(小紅書)と口コミ媒体の大衆点評が入口になります。
北海道・札幌の飲食店は、この順番で進めると迷いません
ここまでを実務の順番に落とします。
- 地図アプリの店舗情報を整える……営業時間、予約の可否、冬の休業日を英語でも書きます
- 韓国と台湾の、どちらから始めるかを決める……人数の韓国か、滞在の長い台湾か。看板料理との相性で選びます
- その市場の媒体に体験記事を積む……韓国ならNAVERブログ、台湾・香港ならInstagramです
- 冬に間に合うよう、秋のうちに発信する……12〜2月の山の前に、記事が読める状態にしておきます
- 反応を見て広げる……手応えが出たら、もう一方の市場や東南アジアに広げます
1番は店だけで始められます。3番は、現地の書き手の力を借りる場面です。韓国向けの進め方は韓国NAVERブロガーによる来店PRのページで、台湾・香港向けは台湾・香港Instagramのページで整理しています。
まとめ——相手は韓国と台湾、勝負の時期は冬です
北海道を訪れる外国人は2025年度に約331万人で、過去最高でした。韓国と台湾で半分を超えます。札幌では、12〜2月の3か月に外国人宿泊者の約4割が集まります。
やることは三つです。地図アプリの情報を整えること。韓国か台湾のどちらかを選び、その国の人が読む場所に体験記事を積むこと。そして、冬の山の前に発信を済ませておくことです。
RED BOOSTは、韓国のNAVERブロガー、台湾・香港のInstagramクリエイター、中国のREDインフルエンサーによる来店型PRを行っています。北海道の飲食店からのご相談も受け付けています。どの市場から手をつけるか迷っている段階でもお問い合わせください。
この記事は、飲食店のインバウンド集客を支援する
RED BOOST が、公的統計や公式資料をもとにまとめたものです。数字は「参考・出典」のリンク先で確認できます。
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