地域別インバウンド集客|京都

京都の飲食店のインバウンド集客——欧米豪の比重が大きい街で、媒体をどう選ぶか

京都で店をやっていると、外国人のお客様は毎日のように来ます。ただ、大阪や福岡の店と同じ対策がそのまま当てはまるかというと、そうではありません。来ている人の国が違うからです。

結論から書きます。京都に泊まる外国人は、北米・ヨーロッパ・オセアニア(以下、欧米豪)の合計が4割を超えます。全国では3割に届きません。一方で、韓国と台湾の比重は全国の半分前後です。この顔ぶれの違いが、そのまま媒体の選び方の違いになります。

本記事では、京都の外国人客の顔ぶれを公的統計で確かめ、そこから「どこに情報を置けば見つけてもらえるか」までをつなげます。数字はすべて観光庁・京都市・京都市観光協会・日本政府観光局(JNTO)の公表資料から引いています。

この記事の要点
  • 2025年に京都府を訪れた訪日外国人は1,222.8万人。訪問率29.73%は全国4位です(観光庁「インバウンド消費動向調査」)。
  • 京都市の外国人延べ宿泊客数は、北米・ヨーロッパ・オセアニアの合計が41.5%で、全国の26.0%のおよそ1.6倍です(京都市「京都観光総合調査 令和7年」)。
  • 京都を訪れた外国人観光客の78.0%が初めての訪問で、68.3%が市内に3泊以上しています(京都市「令和7年 京都観光総合調査結果【概要】」)。

京都府は、訪日客のおよそ3割が訪れる府です

まず規模からです。観光庁のインバウンド消費動向調査によると、2025年に京都府を訪れた訪日外国人は1,222.8万人でした。訪日客全体に占める訪問率は29.73%です(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年暦年 都道府県別集計表)。

これは東京都50.79%、大阪府41.32%、千葉県35.14%に次ぐ全国4位です。国際空港を抱える3都府県のすぐ後ろに、京都が続きます。

京都市の調査でも、数字は伸びています。2025年に京都市内に宿泊した外国人は809万人で、前年の709万人を上回り過去最高でした(日本在住の外国人を含む。出典: 京都市「令和7年 京都観光総合調査結果【概要】」)。

母数は十分です。考えるべきなのは、その中身です。

京都に泊まる外国人は、欧米豪の比重が全国より大きい

ここが京都の特徴です。京都市の調査には、外国人の延べ宿泊客数を地域別に分けた表があります。同じ表に全国の数字も並んでいます(出典: 京都市「京都観光総合調査 令和7(2025)年」。全国は観光庁「宿泊旅行統計調査」から京都市が作成)。

  • アジア……京都市42.0%/全国58.9%
  • 北米……京都市18.6%/全国13.2%
  • ヨーロッパ……京都市17.7%/全国8.7%
  • オセアニア……京都市5.2%/全国4.1%

欧米豪の3地域を足すと、京都市は41.5%、全国は26.0%です。京都は全国のおよそ1.6倍にあたります。

国・地域別に見ると、違いはさらにはっきりします。京都市の上位は中国20.4%、米国15.8%、台湾7.3%、オーストラリア5.2%、韓国4.8%の順でした。全国では台湾が12.8%、韓国が11.4%です。京都では、韓国の比重が全国の半分以下、台湾も6割弱にとどまります。

他の街の成功例をそのまま持ち込むと、相手の少ない場所に力を使うことになります。

2026年は中国が減り、米国が首位に立っています

顔ぶれは固定ではないので、直近の動きも見ておきます。京都市観光協会は、市内の主要ホテルの宿泊状況を毎月調べています。2026年8月の外国人延べ宿泊数は、前年同月比12.4%減でした。国・地域別の構成比は米国が13.9%で1位です。中国は前年同月比60.4%減でした(主要ホテル116施設が対象。出典: 京都市観光協会「データ月報(2026年8月)」)。

この動きは全国でも同じです。JNTOの推計によると、2026年1〜8月の訪日外客数は27,626,300人で、前年同期比2.7%減でした(出典: JNTO「訪日外客数(2026年8月推計値)」)。市場別では動きが割れています。

  • 韓国……7,420,300人(前年同期比21.2%増)
  • 台湾……5,402,000人(同19.8%増)
  • 米国……2,305,300人(同6.1%増)
  • 中国……2,904,600人(同56.7%減)

京都は、2025年の時点で中国が最も多い街でした。そのぶん、影響を受けやすい立場にあります。一つの市場に寄りかからず、欧米豪と、伸びている韓国・台湾の両方に入口を作っておくことが、京都では守りになります。

京都の外国人客は、8割近くが「初めて」の人です

もう一つ見ておきたいのが、外国人観光客の京都市への訪問回数です(出典: 京都市「令和7年 京都観光総合調査結果【概要】」)。

  • 初めて……78.0%
  • 2回以上……22.0%

日本人の観光客は、10回以上の人が58.0%を占めます。外国人はその逆です。

宿泊日数も違います。外国人は3泊以上が68.3%で、日本人は1〜2泊が83.6%でした。

店の側から見ると、常連になってもらう工夫より、初めて来る人に、旅の前か滞在中に見つけてもらう工夫のほうが効きます。3泊以上する人が多いので、滞在中に店を探す回数も増えます。

店を探す場所は、国によってはっきり分かれます

京都市の調査は、京都に着いてからの情報源を地域別に集計しています(出典: 京都市「京都観光総合調査 令和7(2025)年」)。全体の1位は「SNS、動画サイト」の58.6%でした。差が出るのは「地図系アプリ」です。

  • 北米……42.4%
  • ヨーロッパ……37.7%
  • 台湾……24.3%
  • 中国……15.1%

北米・ヨーロッパの人は、滞在中に地図アプリで店を探す割合が高く、中国の人は低めです。中国本土ではGoogleが原則使えないことが背景にあると考えられます。

旅行前の情報源は、観光庁が国籍別に集計しています(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」)。

  • 米国……1位 動画サイト43.0%、2位 自国の親族・知人35.6%、3位 SNS35.4%。口コミサイトは18.6%で、全国籍・地域の平均11.0%を上回ります
  • 中国……1位 SNS49.4%。2位の動画サイト24.4%を大きく引き離します
  • 韓国……3位に個人のブログ42.9%が入ります。全国籍・地域の平均は23.9%です

まとめると、欧米豪のお客様には地図アプリ(米国は口コミサイトも)、中国のお客様にはSNS、韓国のお客様にはブログが入口になります。入口が3つに分かれている点が、京都の難しさです。

京都ならではの注意点——混雑と、食の選択肢

京都の調査は、外国人が「残念に感じたこと」も自由記述で集めています。最も多かった分類は「人が多い、混雑」で、記述の28.6%を占めました。前年の23.0%から増えています。また、外国人の54.0%が、混雑を避けるために何らかの行動をとったと答えました(出典: 京都市「京都観光総合調査 令和7(2025)年」)。

飲食店にとって、これは発信の材料です。予約ができるか、空いている時間帯はいつか。この2点を店の情報に書いておくと、混雑を避けたい人に選ばれやすくなります。

同じ自由記述のうち、「食事」に分類された声は7.1%でした。例として載っているのは「ヴィーガン、ベジタリアンの選択肢が少ない」という声です。欧米豪の比重が大きい京都では、菜食に対応できるかを先に知らせる意味が大きいといえます。対応できる料理があるなら、メニューと地図アプリの両方に書いておいてください。

京都の飲食店は、この順番で進めると迷いません

ここまでを実務の順番に落とします。

  1. 地図アプリの店舗情報を英語で整える……欧米豪の人が滞在中に開く場所です。営業時間、予約の可否、菜食対応の有無を書きます
  2. 狙う東アジアの市場を一つ決める……伸びている韓国・台湾か、人数の多い中国か。看板料理との相性で選びます
  3. その市場の媒体に体験記事を積む……韓国ならNAVERブログ、台湾・香港ならInstagram、中国ならRED(小紅書)と大衆点評です
  4. 混雑への答えを用意する……予約の方法と、入りやすい時間帯を各言語で伝えます
  5. 反応を見て寄せる……手応えのある市場に力を移していきます

1番は店だけで始められます。3番は、現地の書き手の力を借りる場面です。韓国向けの進め方は韓国NAVERブロガーによる来店PRのページで整理しています。

まとめ——京都は、入口を複数持つ街です

京都府は訪日客のおよそ3割が訪れる府です。顔ぶれは欧米豪の比重が大きく、韓国・台湾の比重は小さめです。外国人客の8割近くが初めての訪問で、3泊以上する人が多数を占めます。

やることは二段構えです。まず、欧米豪の人が開く地図アプリを英語で整えます。次に、東アジアの市場を一つ選び、その国の人が読む場所に体験記事を積みます。

RED BOOSTは、韓国のNAVERブロガー、台湾・香港のInstagramクリエイター、中国のREDインフルエンサーによる来店型PRを行っています。どの市場から手をつけるか迷っている段階でもご相談ください。

参考・出典
  • 観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年(令和7年)暦年 都道府県別集計表(表1-1 都道府県(47区分)別 訪問者数および消費単価/京都府 訪問率29.7255%・訪問者数1,222.7613万人/東京都50.7888%・大阪府41.3169%・千葉県35.1439%) — https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002020056.xlsx
  • 観光庁「インバウンド消費動向調査」統計トップページ — https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/gaikokujinshohidoko.html
  • 京都市産業観光局「令和7年 京都観光総合調査結果【概要】」(PDF・外国人宿泊客数 実人数809万人(令和6年709万人・日本在住の外国人を含む)/京都市への訪問回数 外国人 初めて78.0%・2回以上22.0%/日本人 10回以上58.0%/市内での宿泊日数 外国人3泊以上68.3%・日本人1〜2泊83.6%/混雑を避けるために意識してとった行動がある 外国人54.0%) — https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/cmsfiles/contents/0000354/354591/gaiyo.pdf
  • 京都市産業観光局「京都観光総合調査 令和7(2025)年 1月〜12月」本冊(PDF・京都市外国人宿泊客数(延べ人数)中国20.4%・米国15.8%・台湾7.3%・オーストラリア5.2%・韓国4.8%/エリア別 アジア42.0%・北米18.6%・ヨーロッパ17.7%・オセアニア5.2%/全国(宿泊旅行統計調査より作成)アジア58.9%・北米13.2%・ヨーロッパ8.7%・オセアニア4.1%・台湾12.8%・韓国11.4%/外国人の到着後情報源 SNS、動画サイト58.6%・地図系アプリ 北米42.4%・欧州37.7%・台湾24.3%・中国15.1%/外国人が残念に感じた内容(自由記述の分類別割合) 人が多い、混雑28.6%(令和6年23.0%)・食事7.1%) — https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/cmsfiles/contents/0000354/354591/honsatsu.pdf
  • 公益社団法人 京都市観光協会「データ月報(2026年8月)」(市内主要ホテル116施設/外国人延べ宿泊数456,367泊・前年同月比12.4%減/国・地域別構成比1位アメリカ13.9%/中国 前年同月比60.4%減) — https://www.kyokanko.or.jp/report/hotel202608
  • 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年8月推計値)」(2026年1〜8月累計27,626,300人・前年同期比2.7%減/韓国7,420,300人21.2%増・台湾5,402,000人19.8%増・米国2,305,300人6.1%増・中国2,904,600人56.7%減) — https://www.jnto.go.jp/news/press/20260916_montly.html
  • 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」(PDF・出発前に役に立った旅行情報源/全国籍・地域 口コミサイト11.0%・個人のブログ23.9%/米国 1位動画サイト43.0%・2位自国の親族・知人35.6%・3位SNS35.4%・5位口コミサイト18.6%/中国 1位SNS49.4%・2位動画サイト24.4%/韓国 3位個人のブログ42.9%) — https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002020010.pdf
この記事は、飲食店のインバウンド集客を支援する RED BOOST が、公的統計や公式資料をもとにまとめたものです。数字は「参考・出典」のリンク先で確認できます。運営者情報
FAQ

よくあるご質問

京都の飲食店は、まずどの国を狙うのがよいですか。

最初に整えるのは、北米・ヨーロッパ・オセアニア向けの入口です。京都市の調査では、2025年の外国人延べ宿泊客数のうち、この3地域の合計が41.5%でした。全国の26.0%を大きく上回ります。そのうえで東アジアの市場を一つ選びます。JNTOの推計では2026年1〜8月に韓国が21.2%増、台湾が19.8%増と伸びており、中国は56.7%減でした。

京都でも、韓国向けのNAVERブログは有効ですか。

有効ですが、福岡ほど優先度は高くありません。京都市の外国人延べ宿泊客数に占める韓国の割合は4.8%で、全国の11.4%の半分以下です。ただし韓国からの訪日客は増えており、観光庁の2025年年次報告書では、韓国の旅行者の42.9%が出発前に個人のブログを役立てたと答えています。韓国の方に合う看板料理がある店なら、取り組む価値があります。

中国からのお客様が減っています。中国向けの発信はやめるべきですか。

やめる必要はありませんが、頼り切らない形にしてください。京都市の調査では、2025年の外国人延べ宿泊客数で中国は20.4%を占め、最も多い市場でした。一方、京都市観光協会のデータ月報では、2026年8月の中国の延べ宿泊数は前年同月比60.4%減です。中国向けの情報は残しつつ、欧米豪や韓国・台湾にも入口を作っておくのが現実的です。

Googleマップを整えるだけでは足りませんか。

欧米豪のお客様には効きますが、全員には届きません。京都市の調査では、滞在中の情報源に地図系アプリを挙げた人は北米42.4%、ヨーロッパ37.7%に対し、中国は15.1%でした。中国本土ではGoogleが原則使えないことが背景にあると考えられます。韓国の方も、出発前には個人のブログをよく読みます。市場ごとに入口が違う前提で、媒体を分けて考えてください。

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