別府や大分で店をやっていると、韓国語を耳にする機会が多いのではないでしょうか。その感覚は統計でも裏付けられます。
結論から書きます。大分県に泊まる外国人のうち、韓国のお客様が44.1%を占めます。全国の訪日客に占める韓国の割合のおよそ2倍です。2番目は台湾で、2025年は大きく伸びました。大分の店にとっては、韓国と台湾の旅行者が店を探す場所に情報を置くことが、いちばん効率のよい入口になります。
本記事では、大分県の外国人客の顔ぶれを公的統計で確かめ、そこから「どこに情報を置けば見つけてもらえるか」までをつなげます。数字はすべて大分県・観光庁・日本政府観光局(JNTO)の公表資料から引いています。
大分県の外国人宿泊客は、2025年に過去最高を更新しました
まず規模からです。大分県の観光統計調査では、2025年の県内の外国人宿泊客は延べ115万6,476人でした。前年より8.8%増え、過去最高です(出典: 大分県「令和7年大分県観光統計調査(確報)の概要」)。この調査は、従業員10人以上の県内の宿泊施設192か所を対象にしています。
他県と比べる時は、観光庁の調査が目安になります。2025年に大分県を訪れた訪日外国人は138.2万人でした。訪問率は3.36%で、全国15位です(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年暦年 都道府県別集計表)。九州7県では福岡県に次ぐ規模です。
顔ぶれは、韓国が半数近くを占めます
同じ県の調査で、2025年の国・地域別の外国人宿泊客を並べると次のとおりです(出典: 大分県「令和7年大分県観光統計調査(確報)の概要」)。
- 1位 韓国……50万9,951人(44.1%)
- 2位 台湾……23万9,678人(20.7%)
- 3位 中国(大陸)……10万5,604人(9.1%)
- 4位 香港……10万3,776人(9.0%)
- 5位 タイ……3万7,794人(3.3%)
県は、東アジアが全体の約83%を占めるとしています。
全国の訪日客と比べると、違いがはっきりします。JNTOの統計をもとに計算すると、2025年の訪日客の22.2%が韓国、15.8%が台湾、21.3%が中国、5.9%が香港でした(出典: JNTO「国籍/月別 訪日外客数」)。数え方が違うため単純な比較はできませんが、大分では韓国の比重が全国のおよそ2倍、中国の比重は半分以下です。
2025年に伸びた市場と、足踏みした市場
前年からの伸びを見ると、台湾が34.1%増、中国が32.9%増でした。県は台湾の伸びについて、2025年4月に台北と大分空港を結ぶ便が就航したことを要因に挙げています。一方、韓国は0.3%増とほぼ横ばいで、香港は26.0%減りました(出典: 大分県「令和7年大分県観光統計調査(確報)の概要」)。
県はまた、2025年の夏に「日本で大地震が起きる」という噂が広がり、夏の外国人宿泊客が減ったと説明しています。2024年の同じ調査では、韓国からの宿泊客は21.9%増えていました(出典: 大分県「令和6年大分県観光統計調査(確報)の概要」)。2025年の韓国の横ばいを見る時は、こうした夏の一時的な減少があったことも念頭に置いておくとよいでしょう。
2026年に入ってからの全国の流れも押さえておきます。JNTOの推計では、2026年1〜9月の訪日客は、韓国が21.6%増、台湾が19.1%増、香港が7.7%増でした。中国は55.5%減です(出典: JNTO「訪日外客数(2026年9月推計値)」、同 国籍/月別 訪日外客数)。大分で数の多い韓国と台湾は、全国では伸びが続いています。
泊まる場所は、別府市に集中しています
県の調査では、市町村別の宿泊客数も公表されています。2025年は別府市が272万11人で、県全体の51.2%を占めました。次いで大分市が24.5%、由布市が7.9%です(出典: 大分県「令和7年大分県観光統計調査(確報)の概要」)。2024年の別府市の割合は49.6%で、集中は少し強まっています(出典: 大分県「令和6年大分県観光統計調査(確報)の概要」)。
この数字は国内客を含む全体の宿泊客数で、外国人だけの市町村別の内訳ではありません。それでも、県内の宿泊の半分が別府市に集まっていることは、店の立地を考えるうえで大事な手がかりです。店のある市町に泊まりのお客様が多いのか、立ち寄りのお客様が多いのかによって、狙う食事の時間帯も変わります。
空の玄関口は、ソウル線と台北線です
大分県によると、2026年冬ダイヤ(2026年10月25日〜2027年3月27日)の大分空港の国際線は次の2路線です(出典: 大分県「大分空港の国際線の運航状況(2026年冬ダイヤ)について」)。
- ソウル線……チェジュ航空が毎日1往復、大韓航空が週4往復。合わせて週11往復です
- 台北線……タイガーエア台湾が水曜と土曜に週2往復
ソウル線は便数が多く、韓国のお客様にとって大分は直行便で来られる旅先です。台北線は週2往復で、到着する曜日が決まっています。台湾のお客様が多い店は、到着日とその翌日の予約や来店の動きを見ておくと、仕込みや人手の準備に役立ちます。
なお、県の統計は宿泊客数のため、どの空港から日本に入ったかまでは分かりません。
店を探す場所は、国によって分かれます
観光庁は、出発前に役に立った情報源を国籍別に集計しています(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」)。大分で多い国を並べます。
- 韓国……1位 SNS47.1%、2位 動画サイト43.8%、3位 個人のブログ42.9%
- 台湾……1位 動画サイト45.5%、2位 SNS42.7%、3位 個人のブログ29.0%
- 中国……1位 SNS49.4%、2位 動画サイト24.4%
- 香港……1位 動画サイト48.8%、2位 SNS40.8%
韓国は、個人のブログが4割を超えるのが特徴です。韓国の旅行者は訪日前にNAVER(韓国最大級の検索・口コミ媒体)で店を調べるため、NAVERブログの来店記事が入口になります。同じ報告書では、韓国の旅行者が日本滞在中に役に立った情報の1位が「飲食店」(56.5%)でした。
台湾と香港は、動画サイトとSNSが上位です。InstagramなどのSNSで、写真や短い動画で店を見つけてもらう準備が向いています。
大分・別府の飲食店は、この順番で進めると迷いません
- 韓国向けの入口を最初に作る。外国人宿泊客の4割を超える市場です。NAVERブログに来店記事が載ると、検索した旅行者の目に触れます。韓国語のメニューや注文の案内も合わせて整えます
- 台湾向けにSNSの入口を作る。2025年に最も伸びた市場です。Instagramなどで、料理の写真や店の雰囲気が伝わる投稿を見つけてもらえる状態にします。台湾は繁体字圏なので、文字の表記にも気を配ります
- 地図アプリの店舗情報を最新にする。営業時間・定休日・写真を整えます。どの国のお客様も、滞在中に店を探す時の土台になります
- 中国向けは、頼り切らない形で。大分では2025年に伸びましたが、全国では2026年に入って大きく減っています。情報は置きつつ、主力にはしない判断が現実的です
- 成果を測る。来店客に国籍を聞き、月ごとに記録します。どの入口が効いているかが見えると、次の一手を選べます
まとめ——大分は「韓国が軸、台湾が伸び盛り」の県です
大分県の外国人宿泊客は2025年に延べ115万人を超えて過去最高となり、韓国が44.1%を占めます。台湾は前年より3割以上増え、2番目の市場になりました。宿泊は別府市に集中し、空の便はソウル線と台北線が支えています。
まずはNAVERブログで韓国のお客様に見つけてもらうこと。そのうえで、台湾向けにSNSの入口を作ること。この順番が、大分・別府の店にとって無理のない進め方です。
RED BOOSTは、韓国のNAVERブログや台湾・香港のInstagramなど、アジアの旅行者が店を探す媒体での来店PRを支援しています。大分・別府の店舗様からのご相談も承っています。
この記事は、飲食店のインバウンド集客を支援する
RED BOOST が、公的統計や公式資料をもとにまとめたものです。数字は「参考・出典」のリンク先で確認できます。
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