沖縄の飲食店にとって、外国人のお客様はもう珍しい存在ではありません。けれども「どの国の方が、どうやって来ているか」までは、意外と知られていません。
結論から書きます。沖縄県に来る外国人観光客の約4割は台湾の方です。そして全体の約3割は、飛行機ではなく船で沖縄に入っています。同じ外国人のお客様でも、飛行機で来て泊まる方と、クルーズ船で来てその日のうちに船へ戻る方とでは、店の探し方が違います。この二つの事実から、どの媒体に情報を置くかを決めていきます。
数字はすべて、沖縄県・観光庁・国土交通省の公表資料から引いています。
沖縄県には、訪日客の約5.6%が訪れます
まず規模からです。観光庁のインバウンド消費動向調査によると、2025年に沖縄県を訪れた訪日外国人は230.3万人でした。訪日客全体に占める訪問率は5.60%で、47都道府県のうち11位です(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年暦年 都道府県別集計表)。
同じ表で、観光・レジャー目的の人に絞ると214.4万人です。沖縄県を訪れた人のおよそ93%が、観光・レジャーを目的にしています。仕事で来る人の割合が小さく、「旅行を楽しみに来た人」が中心の県だといえます。
外国人観光客は、1年で28%増えました
沖縄県は、空港と港から県内に入った観光客を毎月数えています。ここでいう2025年度は、2025年4月から2026年3月までです。県のまとめでは、2025年度の外国人観光客は294万900人で、前年度から28.3%増えました(出典: 沖縄県「令和7年度 沖縄県入域観光客統計概況(確定版)」)。
これまでで最も多かった2018年度と比べると、98.0%の水準です。県は、航空路線の新規就航や運航再開、クルーズ船の寄港回数の増加を理由に挙げています。外国人のお客様は、ほぼコロナ禍の前の水準まで戻ってきました。
台湾が約4割、韓国が約2割を占めます
次に顔ぶれです。沖縄県が毎月公表している確定版の「国籍別入域状況」を、2025年度の12か月分合計すると、次のとおりになります(出典: 沖縄県「入域観光客統計概況」月別確定版(令和7年4月〜令和8年3月))。
- 台湾……123.3万人(41.9%)
- 韓国……60.7万人(20.6%)
- 中国本土……36.4万人(12.4%)
- 香港……22.7万人(7.7%)
12か月の合計は294万900人で、県の年度の数字と一致します。台湾と香港を足すと約5割です。沖縄県は、繁体字を使うお客様が半分近くを占める地域です。
県の年度のまとめでは、台湾と韓国は前年度を上回り、過去最多になりました。一方、中国本土は一部の航空路線の欠航・減便などで、2018年度の52.3%の水準にとどまっています。
約3割のお客様は、船で沖縄に入っています
沖縄ならではの事情が、船で来るお客様の多さです。同じ月別確定版を合計すると、2025年度の外国人観光客のうち、空路は207.9万人、海路は86.2万人でした。海路が全体の約3割を占めます。なお、海路の数字には船の乗務員なども含まれ、12か月分で26.3万人です。
国・地域ごとに見ると、入り方がはっきり分かれます。
- 韓国……60.7万人のうち59.5万人が空路で、ほぼ全員が飛行機です
- 台湾……123.3万人のうち26.4万人が海路です
- 中国本土……36.4万人のうち19.8万人が海路で、半分を超えます
国土交通省のまとめでも、2025年のクルーズ船の寄港回数で、那覇港は205回と全国3位でした(出典: 国土交通省 港湾局「訪日クルーズ旅客数及びクルーズ船の寄港回数(2025年確報値)」)。クルーズ船のお客様は、船を降りてから戻るまでの限られた時間で食事の店を選びます。
季節の波は小さく、夏がやや多めです
月ごとの動きも確かめます。2025年度の外国人観光客は、最も多い月が8月の29.1万人、最も少ない月が12月の21.5万人でした(出典: 沖縄県「令和7年度 沖縄県入域観光客統計概況(確定版)」)。
差は約1.4倍です。夏がやや多いものの、冬も外国人のお客様が大きく減るわけではありません。南の島なので夏だけの集客と思われがちですが、外国人のお客様に限れば通年の需要があります。
発信も季節に絞らず、記事や投稿を少しずつ積んでおくほうが、沖縄の実態に合います。
店を探す場所は、国ごとに違います
相手が見えたら、次は場所です。観光庁は、出発前に役に立った旅行情報源を国籍別に集計しています(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」)。
- 台湾……1位 動画サイト45.5%、2位 SNS42.7%、3位 個人のブログ29.0%
- 韓国……1位 SNS47.1%、2位 動画サイト43.8%、3位 個人のブログ42.9%
- 中国……1位 SNS49.4%、2位 動画サイト24.4%
- 香港……1位 動画サイト48.8%、2位 SNS40.8%
台湾・香港の方にはInstagramが届きます。韓国は個人のブログを挙げた人が42.9%と多く、全国籍・地域の平均23.9%の2倍近くです。韓国でブログといえば、検索サービスNAVERの中にあるNAVERブログが中心です。中国本土ではInstagramやGoogleが原則として使えないため、入口はSNSのRED(小紅書)と、口コミ媒体の大衆点評になります。
同じ報告書では、日本に滞在している間に役に立った情報として、全体の56.0%が「飲食店」を挙げています。旅先に着いてから店を探す人も多いということです。船で来て数時間だけ街を歩くお客様にとっては、この「その場で探す」場面がとくに大切になります。
沖縄の飲食店は、この順番で進めると迷いません
ここまでを実務の順番に落とします。
- 地図アプリの店舗情報を整える……営業時間、予約の可否、定休日を英語でも書きます。船で来て、その場で店を探すお客様の入口になります
- 台湾・香港向けから始める……合わせて約5割を占める相手です。繁体字のInstagram投稿は、台湾と香港の両方に届きます
- 韓国向けを加える……約2割を占め、ほぼ全員が飛行機で来て泊まるお客様です。NAVERブログに体験記事を積みます
- 中国向けの情報を置いておく……半分以上が船で来るため、滞在中に大衆点評で探される場面が多くなります。REDと大衆点評に、店の情報がある状態を作ります
- 反応を見て比重を変える……来店された方の国と、飛行機か船かを記録し、手応えのある市場に力を寄せます
1番は店だけで始められます。2番から4番は、現地の書き手の力を借りる場面です。台湾・香港向けは台湾・香港Instagramのページ、韓国向けは韓国NAVERブロガーによる来店PRのページをご覧ください。中国向けはRED(小紅書)のページと大衆点評のページで進め方を整理しています。
まとめ——台湾・香港が約5割、船で来るお客様が約3割です
沖縄県の外国人観光客は、2025年度に294万900人で、前年度から28.3%増えました。台湾が41.9%、香港が7.7%で、繁体字を使うお客様が約5割です。そして全体の約3割は船で入っており、中国本土のお客様は半分以上が船で来ています。
やることは三つです。その場で探すお客様のために地図アプリの情報を整えること。最も多い台湾・香港向けから始めること。そして韓国と中国に、それぞれの媒体で情報を広げていくことです。
RED BOOSTは、韓国のNAVERブロガー、台湾・香港のInstagramクリエイター、中国のREDインフルエンサーによる来店型PRを行っています。沖縄の飲食店からのご相談も受け付けています。どの市場から手をつけるか迷っている段階でもお問い合わせください。
この記事は、飲食店のインバウンド集客を支援する
RED BOOST が、公的統計や公式資料をもとにまとめたものです。数字は「参考・出典」のリンク先で確認できます。
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