代行会社の選び方|依頼前のチェックリスト

インバウンド集客の代行会社の選び方——飲食店が依頼前に確かめたい6つのポイント

海外のブロガーやインフルエンサーに店を紹介してもらいたい。けれど、外国語でのやり取りや人選を自店だけで進めるのは難しい。そこで代行会社への依頼を考える飲食店は少なくありません。

結論を先に書くと、選ぶときの基準は「誰に・何を・どう確かめるか」を、根拠つきで説明してくれるかです。どの国のお客様に届けたいのか、どの書き手に頼むのか、結果をどう確かめるのか。この3つに具体的に答えられる依頼先なら、任せたあとも店側で判断ができます。

本記事では、問い合わせや商談の場でそのまま使える確認点を6つに分けて整理します。特定の会社をすすめる記事ではなく、比べるための物差しとしてお使いください。

確認点1:狙う国のお客様が見ている媒体に対応しているか

最初に確かめたいのは、依頼先がどの国の、どの媒体に強いのかです。訪日客が旅行前に参考にする情報源は、国や地域によってかなり違います。

観光庁の調査では、出発前に役に立った情報源は、全体では「SNS」が43.3%、「動画サイト」が39.6%、「個人のブログ」が23.9%でした。一方、「個人のブログ」を挙げた割合は、韓国では42.9%、台湾では29.0%、香港では15.4%、中国では14.8%です(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」)。

同じブログでも、韓国と香港・中国では参考にする人の割合に大きな差があります。狙う国によって、力を入れるべき媒体は変わるということです。依頼先に「うちの店なら、どの国のどの媒体から始めるのがよいか。その理由は何か」と聞いてみてください。どの国にも同じ方法を勧めるだけなら、少し慎重に考えたほうがよいかもしれません。

媒体ごとの特徴は、国別に使われるSNS・口コミアプリの解説でもまとめています。

確認点2:書き手の選び方を、実測した数字で説明できるか

次に、紹介してくれる書き手(ブロガーやインフルエンサー)をどう選んでいるかを確かめます。

フォロワー数は目安になりますが、それだけでは足りません。フォロワーを多く見せることはできても、毎日の閲覧数や、投稿ごとの反応までは取り繕いにくいためです。確認したいのは次のような点です。

  • 候補を選ぶとき、閲覧数や訪問者数を自分たちで測っているか
  • 過去の投稿が、飲食店や旅行の話題とかみ合っているか
  • 候補ごとに、選んだ理由を店に説明できるか
  • 候補の一覧を、依頼前に店が見て判断できるか

「人数」だけで提案されたときは、「一人ひとりのブログやアカウントを見せてもらえますか」と聞いてみると、人選の丁寧さがわかります。

確認点3:PR表記(ステマ規制)をどう扱っているか

2023年10月1日から、広告なのに広告だと隠す「ステルスマーケティング」は景品表示法の違反になりました。消費者庁によると、広告には企業がインフルエンサーなどの第三者に依頼・指示するものも含まれます。規制の対象は、広告主である事業者です(出典: 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります」)。

つまり、代行会社を通して依頼した場合でも、来店と投稿を依頼した店の側が責任を問われる立場にあります。依頼先には、次の点を確認しておくと安心です。

  • 書き手に、広告だとわかる表記をどこに、どんな言葉で入れてもらうか
  • 外国語の投稿で、その国の読者に伝わる言葉で表記してもらうか
  • 投稿の感想の中身まで指示していないか

依頼した投稿を自店のサイトに載せるときも注意が要ります。依頼した投稿を「お客様の声」として載せると、お客様の自主的な感想だと誤解されかねません。消費者庁のQ&Aも、依頼した投稿だとわかる形で載せるよう示しています(出典: 消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」)。詳しくはステマ規制とインフルエンサーPRの記事をご覧ください。

確認点4:外国語のやり取りや書き手への支払いを、どこまで任せられるか

代行を頼む理由の多くは、外国語でのやり取りの負担です。どこからどこまでを任せられるのか、範囲を先にはっきりさせておきます。

  • 書き手への打診や日程の調整を、現地の言葉で行ってくれるか
  • 来店当日、メニューの説明などで言葉の手助けがあるか
  • 書き手への謝礼の支払いを、店と書き手のどちらが行うのか
  • 予約の変更や当日の欠席があったとき、誰が連絡を受けるのか

あわせて、条件を書面で残しているかも見ておきたい点です。国内では2024年11月1日に「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が施行されました。対象は、従業員を使う発注事業者が、従業員のいない個人の事業者に仕事を頼む場合です。業務の内容・報酬の額・支払期日などを、書面やメールで直ちに示すことが求められます(出典: 公正取引委員会ほか「フリーランス・事業者間取引適正化等法」リーフレット)。

海外に住む書き手との取引にこの法律がどう当てはまるかは、個別の判断になります。それでも、書き手との条件を書面で残しているかどうかは、依頼先の進め方の丁寧さを測る目安になります。

確認点5:成果報告に何が載るのか、事前に見せてもらえるか

依頼したあと、何が起きたのかを店が確かめられなければ、続けるかどうかを判断できません。契約の前に、報告書の見本を見せてもらいましょう。

載っていると判断しやすいのは、次のような項目です。

  • 公開された投稿のURLと公開日
  • 投稿ごとの閲覧数や反応の数(取れる範囲で)
  • 投稿から地図や予約ページへどれだけ移動したか
  • 次に打つ手についての提案

媒体によって取れる数字は違うため、「この媒体では何が測れて、何が測れないのか」を説明してもらえるかも大切です。数字の読み方はインバウンド集客の効果測定の記事で詳しく扱っています。

確認点6:小さく始められるか、やめるときの条件は明確か

はじめての依頼では、最初から大きく広げるより、少人数で試して結果を確かめるほうが判断しやすくなります。次の点を聞いておくと、無理のない始め方を選べます。

  • 少人数・短い期間で試すことができるか
  • 途中で止めたいとき、どんな手続きが要るか
  • 受け入れられる日や時間帯、人数などの店の都合に合わせてもらえるか
  • 店の定休日や繁忙期を踏まえて、来店の日程を組んでもらえるか

店の営業に無理が出る進め方では、長く続けられません。最初の打ち合わせで、店の事情をどれだけ聞いてくれるかもよく見ておきたいところです。

問い合わせのときに、そのまま使える質問リスト

ここまでの確認点を、問い合わせや商談で使える質問にまとめます。

  1. うちの店なら、どの国のどの媒体から始めるのがよいですか。理由も教えてください。
  2. 書き手はどうやって選びますか。候補を事前に見せてもらえますか。
  3. PR表記は、どこに、どんな言葉で入れてもらいますか。
  4. 外国語のやり取りと、書き手への支払いは、どこまでお任せできますか。
  5. 成果報告の見本を見せてもらえますか。
  6. 少人数から試せますか。やめるときの条件はどうなっていますか。

答えが具体的で、根拠を示してくれる依頼先ほど、任せたあとのやり取りもスムーズに進みやすくなります。複数の会社に同じ質問をして、答えを並べて比べるのもよい方法です。

まとめ:任せたあとも、店が判断できる依頼先を選びます

代行会社に任せるのは、店の手間を減らすためです。けれど、何が行われているのか店から見えない状態では、続けるかどうかも決められません。

選ぶときに見るのは6点です。狙う国に合った媒体を選べるか。人選を数字で説明できるか。PR表記を正しく扱っているか。任せられる範囲がはっきりしているか。結果を報告してくれるか。そして、無理なく始められるかです。

RED BOOSTでは、韓国のNAVERブログ、台湾・香港のInstagram、中国のRED(小紅書)や大衆点評(中国の口コミサイト)での来店型PRを扱っています。これまで数十店舗の飲食店からご相談をいただいてきました。依頼先を比べる段階のご質問にもお答えしていますので、お気軽にお問い合わせください。

参考・出典
  • 観光庁「訪日外国人の消費動向 インバウンド消費動向調査結果及び分析 2025年 年次報告書」(PDF/出発前に役に立った旅行情報源:全国籍・地域でSNS43.3%・動画サイト39.6%・個人のブログ23.9%、個人のブログは韓国42.9%・台湾29.0%・香港15.4%・中国14.8%) — https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002020010.pdf
  • 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります」(施行日、広告にはインフルエンサー等の第三者への依頼・指示を含む、規制対象は事業者(広告主)でインフルエンサー等の第三者は対象外) — https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
  • 消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」(依頼した投稿を「お客様の声」として掲載することは適当でなく、依頼した投稿である旨を明瞭に示す) — https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/faq/stealth_marketing/
  • 公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省「フリーランス・事業者間取引適正化等法」リーフレット(PDF/2024年11月1日施行、フリーランス=従業員を使用しない事業者、発注事業者は業務委託をした場合に書面等で直ちに業務の内容・報酬の額・支払期日等の取引条件を明示) — https://www.jftc.go.jp/file/flreaflet.pdf
この記事は、飲食店のインバウンド集客を支援する RED BOOST が、公的統計や公式資料をもとにまとめたものです。数字は「参考・出典」のリンク先で確認できます。運営者情報
FAQ

よくあるご質問

インバウンド集客は、代行会社に頼まず自店だけでもできますか。

できます。外国語でのやり取りや書き手の人選、来店の調整を自店で担えるなら、直接依頼する方法もあります。その場合も、PR表記の扱いは依頼した店の責任になる点や、条件をメールなど書面で残しておく点は同じです。負担が大きいと感じた部分だけを外部に任せるという考え方もあります。

代行会社を通して依頼した投稿でステマ規制の問題が起きたら、責任は誰にありますか。

消費者庁は、ステマ規制の対象は商品やサービスを供給する事業者(広告主)だとしています。来店と投稿を依頼した店は、代行会社を通した場合でも広告主の立場にあたり得ます。依頼する前に、PR表記の位置と言葉を依頼先とすり合わせておくと安心です。

フォロワー数が多い書き手を選べば、集客の効果は大きくなりますか。

フォロワー数だけでは判断できません。毎日の閲覧数や投稿ごとの反応、過去の投稿が飲食や旅行の話題とかみ合っているかによって、届き方は変わります。依頼先が候補ごとに選んだ理由を説明できるかを確かめるのがおすすめです。

代行会社を比べるとき、何社くらいに問い合わせればよいですか。

決まった数はありませんが、同じ質問を複数の会社にして、答えを並べて比べると違いが見えやすくなります。本記事の質問リストをそのまま使っていただけます。

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