国別まとめ|口コミ・SNSアプリ

訪日外国人が使う口コミ・SNSアプリ——国ごとに「入口」が違います

外国人のお客様に来てほしいと考えたとき、多くの店はまずGoogleマップやInstagramを整えます。ところが、訪日客が店を調べるアプリは国によってかなり違います。韓国ではブログの比重が際立って高く、台湾・香港では動画が1位、中国本土では中国国内のSNSが中心です。

本記事では、観光庁の2025年の調査から、出発前に役に立った情報源を国・地域別に比べます。そのうえで、韓国・台湾・香港・中国本土で押さえておきたいアプリを一覧にし、飲食店が手をつける順番を整理します。

訪日客が出発前に頼るのは、SNS・動画・個人のブログです

観光庁のインバウンド消費動向調査(2025年年次報告書)では、旅行の出発前に役に立った情報源を複数回答で聞いています。全国籍・地域の合計で、上位は次のとおりです(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年年次報告書」)。

  • SNS……43.3%
  • 動画サイト……39.6%
  • 個人のブログ……23.9%
  • 自国の親族・知人……19.9%

一方で、日本政府観光局のホームページは12.2%、口コミサイトは11.0%、旅行ガイドブックは8.1%でした。訪日客の情報集めは、公式サイトよりも、SNSや動画、個人のブログに寄っています。

ただし、この「SNS」「動画」「ブログ」がどのアプリを指すかは国によって変わります。全体の数字だけを見て媒体を一つに絞ると、届かない国が出てきます。

韓国——個人のブログが42.9%、入口はNAVERです

同じ調査で韓国を見ると、出発前に役に立った情報源はSNSが47.1%、動画サイトが43.8%、個人のブログが42.9%でした。ブログの割合は全体(23.9%)の2倍近くあり、台湾・香港・中国本土と比べても際立って高い数字です。

このブログの多くは、NAVER(韓国最大級の検索・口コミ媒体)の中にあるNAVERブログです。韓国の旅行者は訪日前にNAVERで地域名や料理名を検索し、出てきたブログ記事の写真と感想を読んで行き先を決めます。

訪日客の数も最大です。日本政府観光局(JNTO)の推計では、2026年1月から8月の累計で韓国は742万300人と、国・地域別で最も多くなりました(出典: JNTO「訪日外客数(2026年8月推計値)」)。くわしくはNAVERブログのページをご覧ください。

台湾・香港——動画サイトが1位、SNSがそれに続きます

台湾と香港では順位が入れ替わります。出発前に役に立った情報源の1位はどちらも動画サイトで、台湾が45.5%、香港が48.8%でした。2位はSNSで、台湾が42.7%、香港が40.8%です。

個人のブログは台湾で29.0%、香港では15.4%にとどまります。

両地域でよく見られているのは、YouTubeなどの動画と、写真や短い動画を投稿するInstagramです。料理が運ばれてくる瞬間や店内の雰囲気は、文字だけの口コミよりも映像のほうが伝わります。訪日客数は、2026年1月から8月の累計で台湾が540万2,000人、香港が181万8,300人でした。台湾・香港向けの発信は台湾・香港向けInstagramのページで扱っています。

中国本土——SNSが49.4%、ただし使えるアプリが別です

中国本土では、出発前に役に立った情報源のうちSNSが49.4%と4市場で最も高く、動画サイトは24.4%と、ほかの3市場の半分ほどでした。3位は自国の親族・知人(15.0%)、4位は個人のブログ(14.8%)です。

気をつけたいのは、中国本土ではGoogleやInstagramが原則として使えない点です。調査票のSNSの例にも、微信(WeChat、中国の対話アプリ)が挙がっています。飲食店探しで中心になるのは、次の二つのアプリです。

  • RED(小紅書)……写真と短文で体験を共有する発見型のSNSです。2025年以降は「rednote」の名称も使われています
  • 大衆点評……店の評価と口コミを調べるアプリで、中国版の「食べログ+Googleマップ」にあたります

REDで店を知り、大衆点評で場所や評価を確かめてから来店する、という流れが基本です。なお訪日客数は2026年1月から8月の累計で290万4,600人と、前年同期から56.7%減りました。JNTOは、中国政府から日本への渡航を避けるよう注意喚起があったことに触れています。くわしくはRED(小紅書)のページと大衆点評のページをご覧ください。

【一覧】国・地域別に押さえておきたいアプリ

韓国

  • 入口……NAVER(検索)とNAVERブログ(体験記事)
  • 調査での特徴……個人のブログが42.9%と、4市場で最も高い

台湾

  • 入口……YouTubeなどの動画、Instagram
  • 調査での特徴……動画サイトが45.5%で1位。ブログも29.0%と一定の割合がある

香港

  • 入口……YouTubeなどの動画、Instagram
  • 調査での特徴……動画サイトが48.8%で、4市場で最も高い

中国本土

  • 入口……RED(小紅書)と大衆点評
  • 調査での特徴……SNSが49.4%。GoogleやInstagramは原則として使えない

Googleマップは多くの国の旅行者が現地で場所を確かめるときに使うため、土台として整えておく価値があります。ただし中国本土のお客様には届きません。また、口コミサイト(トリップアドバイザー等)は、出発前に役に立った情報源として4市場とも1割に届いていませんでした。

旅行中も「飲食店」の情報は探されています

同じ調査では、日本滞在中に役に立った旅行情報も聞いています。全体では「交通手段」が65.9%で最も多く、次が「飲食店」の56.0%でした。国・地域別に見ると、韓国では飲食店が56.5%で1位でした。中国本土(56.8%)、香港(54.8%)、台湾(48.3%)でも、交通手段に次ぐ2位です。

出発前に行き先を決めていても、現地で「今夜どこで食べるか」「近くにもう一軒ないか」を探す場面は多くあります。そのときに開くのも、ふだん使い慣れたアプリです。出発前に見てもらう準備をしておけば、旅行中の検索でも見つけてもらいやすくなります。

飲食店は、この順番で考えると迷いません

  1. 来ているお客様の国を確かめる……予約や決済の記録、来店時の会話から、多い国・地域を把握します
  2. その国の入口になるアプリを一つ決める……韓国ならNAVER、台湾・香港なら動画とInstagram、中国本土ならREDと大衆点評です
  3. 店名の表記をそろえる……アプリごとに表記が揺れると、検索したときに同じ店だと分かってもらえません
  4. 自店の発信と、第三者の投稿を分けて考える……調査で上位だったのは、SNS・動画サイト・個人のブログでした。お客様の目線で書かれた投稿を増やす工夫も要ります
  5. Googleマップは土台として整える……営業時間や写真を最新にしておきます

すべてを同時に始める必要はありません。お客様の多い国から、一つずつ進めてください。

まとめ——「外国人向け」ではなく「国ごと」に入口を選びます

観光庁の2025年の調査では、訪日客が出発前に役に立ったと答えた情報源の上位は、SNS・動画サイト・個人のブログでした。ただし国・地域で中身は違い、韓国は個人のブログが42.9%、台湾・香港は動画サイトが1位、中国本土はSNSが49.4%です。

「外国人向けのアプリ」を一つ選ぶのではなく、来てほしい国ごとに入口を選ぶ。そうすれば、限られた手間でも届く相手を広げられます。

RED BOOSTは、韓国のNAVERブロガー、台湾・香港のInstagramクリエイター、中国のREDインフルエンサーによる来店型PRと、大衆点評の運用支援を行っています。どの国のどのアプリから始めるか、という段階からご相談いただけます。

参考・出典
  • 観光庁「訪日外国人の消費動向 インバウンド消費動向調査結果及び分析 2025年 年次報告書」(PDF/出発前に役に立った旅行情報源〔全国籍・地域〕SNS 43.3%・動画サイト39.6%・個人のブログ23.9%・自国の親族知人19.9%・日本政府観光局ホームページ12.2%・口コミサイト11.0%・旅行ガイドブック8.1%/日本滞在中に役に立った旅行情報 交通手段65.9%・飲食店56.0%/国籍・地域別の旅行情報ランキング:韓国=SNS 47.1%・動画サイト43.8%・個人のブログ42.9%・口コミサイト7.5%、滞在中は飲食店56.5%で1位/台湾=動画サイト45.5%・SNS 42.7%・個人のブログ29.0%、滞在中の飲食店48.3%/香港=動画サイト48.8%・SNS 40.8%・日本政府観光局ホームページ16.2%・個人のブログ15.4%・口コミサイト8.8%、滞在中の飲食店54.8%/中国=SNS 49.4%・動画サイト24.4%・自国の親族知人15.0%・個人のブログ14.8%・口コミサイト6.4%、滞在中の飲食店56.8%/SNSの選択肢例はFacebook・X(Twitter)・微信等) — https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002003329.pdf
  • 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年8月推計値)」(2026年9月16日発表/8月の訪日外客数3,098,900人・前年同月比9.6%減/韓国・台湾・香港など14市場で8月として過去最高) — https://www.jnto.go.jp/news/press/20260916_montly.html
  • 日本政府観光局(JNTO)「2026年8月 訪日外客数(JNTO推計値)」(PDF/1〜8月累計 韓国7,420,300人・前年同期比21.2%増、台湾5,402,000人・同19.8%増、中国2,904,600人・同56.7%減、香港1,818,300人・同8.7%増/中国は中国政府より日本への渡航を避けるよう注意喚起があった) — https://www.jnto.go.jp/statistics/data/_files/20260916_1615-1.pdf
この記事は、飲食店のインバウンド集客を支援する RED BOOST が、公的統計や公式資料をもとにまとめたものです。数字は「参考・出典」のリンク先で確認できます。運営者情報
FAQ

よくあるご質問

Googleマップを整えておけば、外国人観光客への対策として十分ですか。

土台としては大切ですが、それだけでは届かない国があります。中国本土ではGoogleが原則として使えません。また観光庁の2025年の調査では、出発前に役に立った情報源の上位はSNS・動画サイト・個人のブログで、口コミサイトは4市場とも1割未満でした。Googleマップは現地で場所を確かめてもらう道具として整え、見つけてもらう入口は国ごとに別に用意するのがおすすめです。

韓国のお客様向けに、Instagramだけでは足りませんか。

韓国でもSNSは47.1%で1位ですので、Instagramも見られています。ただし個人のブログが42.9%と、ほかの市場より際立って高いのが韓国の特徴です。NAVERで地域名や料理名を検索したときに、自店のブログ記事が出てくるかどうかが大きな差になります。

台湾と香港は、同じ対策でよいですか。

傾向は近く、どちらも出発前の情報源は動画サイトが1位、SNSが2位です。使う文字も同じ繁体字ですので、まずは共通の発信から始めて差し支えありません。違いはブログの比重で、台湾は29.0%、香港は15.4%でした。台湾を主に狙う場合は、ブログ記事も選択肢に入ります。

中国本土のお客様が減っていますが、今は準備しなくてよいですか。

判断は、実際に来ているお客様の内訳で決めてください。JNTOの推計では2026年1月から8月の累計で前年同期比56.7%減と、人数は情勢によって大きく動いています。力を入れるかどうかは店の状況次第ですが、店名の中国語表記を決めておくなど、手間の小さい準備から始める方法もあります。

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