訪日外客数の最新データ|国別の動向

訪日外客数の最新データ——2026年8月までの国別の動きと、飲食店が見直したい発信先

「訪日客が減った」という見出しを見て、インバウンド向けの取り組みを続けるべきか迷っている飲食店の方もいらっしゃると思います。

結論を先に書くと、減ったのは全体の数で、増えている国・地域のほうが多い状況です。日本政府観光局(JNTO)の発表では、2026年1〜8月の訪日外客数は前年の同じ期間より2.7%少なくなりました。一方で、韓国と台湾はどちらも約2割増えています。

本記事では、2026年9月16日に発表された最新の統計をもとに、国別の動きと、飲食店が発信先を見直すときの考え方を整理します。

この記事の要点
  • 2026年1〜8月の訪日外客数は2,762万6,300人で、前年同期比2.7%減です。8月の単月は309万8,900人でした(日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数 2026年8月推計値」)。
  • 同じ期間に中国は56.7%減った一方、韓国は21.2%増の742万300人、台湾は19.8%増の540万2,000人でした(JNTO「訪日外客数 2026年8月推計値」)。
  • 出発前に役に立った情報源として、韓国は個人のブログが42.9%で、全体の23.9%を上回ります(観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」)。

2026年1〜8月の訪日外客数は約2,763万人、前年同期比2.7%減です

まず全体の数字です。JNTOによると、2026年1〜8月に日本を訪れた外国人は2,762万6,300人で、前年の同じ期間より2.7%減りました。8月の単月では309万8,900人で、前年同月比9.6%減です(出典: 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年8月推計値)」)。

比べる相手の2025年は、記録的な年でした。年間の訪日外客数は4,268万3,600人で、前年より15.8%多く、過去最高を更新しています(出典: JNTO「訪日外客数(2025年12月推計値)」)。

つまり2026年は、過去最高だった前年をわずかに下回るペースで進んでいます。数は少し減りましたが、水準そのものは高いままです。

全体を押し下げたのは、中国からの客の減少です

国別に見ると、減少の中心がはっきりします。中国からの訪日客は、2026年1〜8月の累計で290万4,600人でした。前年の同じ期間は671万1,851人だったので、56.7%の減少です。

JNTOは8月の中国市場について、中国政府から日本への渡航を避けるよう注意喚起があったこと、航空便の減便の影響があったことを挙げています。

では、中国を除くとどうなるでしょうか。JNTOの数字から中国を引いて計算すると、2026年1〜8月は約2,472.2万人で、前年の同じ期間の約2,167.2万人より約14.1%多くなります。全体の数字だけを見ていると、この伸びは見えません。

韓国・台湾・香港の3市場で、訪日客の半分を超えました

増えた市場の中心は東アジアです。2026年1〜8月の累計は次のとおりでした。

  • 韓国……742万300人(前年同期比21.2%増)
  • 台湾……540万2,000人(同19.8%増)
  • 香港……181万8,300人(同8.7%増)

3市場を合計すると約1,464.1万人で、訪日外客全体の約53.0%にあたります(JNTOの数字から計算)。訪日客のおよそ2人に1人が、この3市場から来ていることになります。

なかでも韓国の存在感が増しています。全体に占める韓国の割合は、前年同期の約21.6%から約26.9%に上がりました。8月の韓国は85万500人で、8月として過去最高です。

欧米や中東からの客も、ゆるやかに増えています

東アジア以外でも、増えている市場が目立ちます。米国は2026年1〜8月の累計で230万5,300人、前年同期比6.1%増でした。

8月の単月では、イタリアとスペインが、すべての月を通じた過去最高を記録しました。8月として過去最高だった市場は、韓国、台湾、香港、米国、フランス、中東地域など14にのぼります。

伸び率が大きいのは、メキシコ(累計で28.0%増)、インド(20.2%増)、中東地域(16.3%増)です。人数はまだ多くありませんが、訪日客の顔ぶれは少しずつ広がっています。

来る国が変わると、店を探す媒体も変わります

国別の動きが飲食店にとって大事なのは、国・地域によって店の探し方が違うからです。

観光庁は、訪日客に「出発前に役に立った旅行情報源」を聞いています。2025年の調査では、全体ではSNSが43.3%、動画サイトが39.6%、個人のブログが23.9%でした(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」)。

市場別に見ると、差が出ます。

  • 韓国……個人のブログが42.9%で、全体の23.9%を大きく上回ります。SNSは47.1%です
  • 台湾……動画サイトが45.5%、SNSが42.7%、個人のブログが29.0%です
  • 香港……動画サイトが48.8%、SNSが40.8%です

韓国で個人のブログといえば、主にNAVERブログです。伸びている韓国の客に店を知ってもらうには、ブログが有力な入口になります。台湾と香港は、動画やInstagramなどのSNSが中心です。

同じ調査では、日本滞在中に役に立った旅行情報として「飲食店」を挙げた人が56.0%いました。交通手段に次いで2番目に多い項目です。旅行中に飲食店の情報を探している人は多く、届ける先を選ぶ意味があります。

飲食店がこのデータから見直したい三つのこと

統計は、店の方針を決める材料として使えます。見直したい点を三つ挙げます。

  1. 自分の店の国別の来店と比べる……全国では韓国・台湾が増えています。自分の店でも同じように増えているかを、国別の来店組数で確かめます。増えていなければ、その国の人に店が知られていない可能性があります
  2. 伸びている市場を一つ選び、その国の媒体で発信する……韓国ならNAVERブログ、台湾・香港ならInstagramというように、国と媒体を組にして考えます。一度に全部を始める必要はありません
  3. 中国向けは、店の情報の土台を保つ……客数は大きく減りましたが、1〜8月で290万人以上が訪れています。大衆点評(中国の口コミアプリ)やRED(小紅書、中国のSNS)に載っている店の情報は、営業時間やメニューを正しい状態に保っておくと、需要が戻ったときに慌てずに済みます

月ごとの数字を読むときの注意点

最後に、この統計を読むときの注意を三つ書きます。

一つ目は、数字の種類です。JNTOの資料では、直近2か月分は推計値、それ以前の2026年分は暫定値、2025年分は確定値とされています。直近の数字は、あとで少し変わることがあります。

二つ目は、訪日外客の範囲です。JNTOの定義では、観光客のほかに、駐在員とその家族、留学生なども含みます。クルーズ船で一時的に上陸した人も数に入ります。全員が飲食店を探す旅行者というわけではありません。

三つ目は、単月の前年同月比です。JNTOは8月の増減の背景として、学校の休暇、祝日の並び、台風による欠航などを挙げています。1か月だけの増減で判断せず、累計や数か月の流れで見ると、読み違えが減ります。

RED BOOSTでは、NAVERブログ、台湾・香港のInstagram、RED、大衆点評での来店型PRをお手伝いしています。どの国から始めるか迷ったときは、まず自分の店の国別の来店を1か月記録してみてください。

参考・出典
  • 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年8月推計値)」(2026年9月16日発表・報道発表ページ/8月3,098,900人・前年同月比9.6%減/14市場で8月として過去最高・イタリアとスペインは単月過去最高/訪日外客の定義) — https://www.jnto.go.jp/news/press/20260916_montly.html
  • 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年8月推計値)」全体版(PDF/2026年1〜8月累計27,626,300人・2.7%減/韓国7,420,300人21.2%増・中国2,904,600人56.7%減(前年同期6,711,851人)・台湾5,402,000人19.8%増・香港1,818,300人8.7%増・米国2,305,300人6.1%増・メキシコ28.0%増・インド20.2%増・中東地域16.3%増/8月の韓国850,500人/市場別の概況/推計値・暫定値・確定値の区別) — https://www.jnto.go.jp/news/_files/20260916_1615.pdf
  • 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2025年12月推計値)」(2026年1月21日発表/2025年の年間訪日外客数42,683,600人・前年比15.8%増・年間過去最高) — https://www.jnto.go.jp/news/press/20260121_monthly.html
  • 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計」(月別推計値・国籍/月別 訪日外客数) — https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
  • 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」(PDF/出発前に役に立った旅行情報源:全国籍・地域 SNS43.3%・動画サイト39.6%・個人のブログ23.9%/韓国 SNS47.1%・動画サイト43.8%・個人のブログ42.9%/台湾 動画サイト45.5%・SNS42.7%・個人のブログ29.0%/香港 動画サイト48.8%・SNS40.8%/日本滞在中に役に立った旅行情報:交通手段65.9%・飲食店56.0%) — https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002020010.pdf
この記事は、飲食店のインバウンド集客を支援する RED BOOST が、公的統計や公式資料をもとにまとめたものです。数字は「参考・出典」のリンク先で確認できます。運営者情報
FAQ

よくあるご質問

2026年の訪日外客数は、前年より減っているのですか。

JNTOの発表では、2026年1〜8月の累計は2,762万6,300人で、前年同期比2.7%減です。ただし減少の中心は中国(56.7%減)で、韓国は21.2%増、台湾は19.8%増でした。JNTOの数字から中国を除いて計算すると、前年同期より約14.1%多くなります。

いま訪日客が最も多い国はどこですか。

2026年1〜8月の累計では、韓国が742万300人で最も多くなっています。次いで台湾の540万2,000人、中国の290万4,600人、米国の230万5,300人、香港の181万8,300人の順です(JNTO推計値)。韓国・台湾・香港の3市場で、全体の約53.0%を占めます。

中国からの客が減っているなら、中国向けの発信はやめたほうがよいですか。

やめる必要はありませんが、力の配分を見直す時期ではあります。中国からは1〜8月で290万人以上が訪れており、需要がなくなったわけではありません。大衆点評などに載っている店の情報を正しい状態に保ちつつ、新しい取り組みは伸びている韓国・台湾・香港を優先する考え方が現実的です。

訪日外客数の統計は、いつ発表されますか。

JNTOが月ごとに推計値を発表しています。2026年8月分は9月16日、2025年12月分と年間の数字は2026年1月21日に発表されました。月別の数字と過去の推移は、JNTOのサイトの「訪日外客統計」のページで確認できます。

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