外国人のお客様を迎える準備として、多くの店が最初に取り組むのが多言語メニューです。順番として正しい選択です。観光庁の最新の調査でも、訪日客が言葉で困った場所として最も多く挙がったのは飲食店でした。
ただ、多言語メニューは「来てくれた人」のための道具です。店の前を通らない人や、まだ店の名前を知らない人には届きません。本記事では、公的な調査の数字をもとに、伝わる多言語メニューの作り方を整理したうえで、そのメニューを来店前のお客様に届ける方法まで順に説明します。
外国人のお客様を迎える準備として、多くの店が最初に取り組むのが多言語メニューです。順番として正しい選択です。観光庁の最新の調査でも、訪日客が言葉で困った場所として最も多く挙がったのは飲食店でした。
ただ、多言語メニューは「来てくれた人」のための道具です。店の前を通らない人や、まだ店の名前を知らない人には届きません。本記事では、公的な調査の数字をもとに、伝わる多言語メニューの作り方を整理したうえで、そのメニューを来店前のお客様に届ける方法まで順に説明します。
観光庁は2025年11月から2026年1月にかけて、出国前の訪日客4,110件に旅行中の困りごとを尋ねました。全体では「施設等のスタッフとのコミュニケーション」が15.4%、「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」が10.9%でした(出典: 観光庁「訪日外国人旅行者の受入環境に関する調査を実施しました」)。
困った場所を詳しく見ると、飲食店の多さが目立ちます(出典: 観光庁「令和7年度 訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」調査結果)。
駅の案内は鉄道会社が整えますが、店の中の表示を整えられるのは店だけです。都市部でも地方でも、メニューは手を入れる価値が高い場所だといえます。
同じ調査では、多言語表示に困った人に、何に困ったかも尋ねています(出典: 観光庁「令和7年度 訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」調査結果)。
最多は「そもそも読める言語がない」ですが、2番目以降は、訳はあっても説明が足りず中身が伝わらないという不満です。料理名だけを訳したメニューでは、何が入っているか、どれくらいの量かが分かりません。
困った人の57%は翻訳アプリで表示を読み解き、29%は読み解くのを諦めていました。お客様の努力に頼る形では、注文できる料理が自然と限られてしまいます。
「何語にするか」の前に、「何を伝えるか」を決めます。日本語メニューをそのまま訳すと、日本人なら説明不要の前提が抜け落ちるためです。次の順で情報を足していくと、訳の量が少なくても伝わります。
コースだけの店なら、料理の流れとおおよその所要時間を書いておくと、予約前の不安が減ります。
すべての言語を一度にそろえる必要はありません。英語を土台に、実際に来ているお客様、あるいはこれから来てほしいお客様の言語から足していきます。
翻訳アプリでの下訳は便利ですが、公開前に一度、その言語を母語とする人に読んでもらうのが安全です。先ほどの調査で「誤訳」が20%挙がっていたことを思い出してください。あわせて、料理名や店名の書き方は全言語で統一します。メニューとGoogleマップで表記がばらばらだと、同じ料理だと気づいてもらえません。
株式会社Paykeが2025年に訪日客1,827人へ行ったアンケートでは、飲食店のメニューや営業時間などの詳細を調べる際、67.10%が地図アプリを使っていました(出典: Payke「インバウンドの99%がGoogle Mapを利用」)。回答者は韓国語・英語・繁体字中国語の話者です。
観光庁の調査でも、日本滞在中に役に立った旅行情報として「飲食店」を挙げた人は56.0%で、「交通手段」に次ぐ2番目でした(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」)。
つまり、多言語メニューを紙で用意するだけでは半分です。店に入る前、スマートフォンの画面で「この店で何が食べられるか」を確かめる人が多いので、同じ内容をネット上にも置いておく必要があります。
Googleのヘルプでは、Googleマップのアプリから店のビジネス プロフィールを開き、「メニュー」から料理の写真を追加して料理名を入力する手順が案内されています(出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「レストランで人気の料理の名前を管理する」)。料理名の編集は数日以内の公開をめざすとされ、公開は保証されていない点に注意が必要です。
情報を充実させること自体にも意味があります。Googleは、ローカル検索の表示について「ビジネス情報の内容が充実していて正確なほど、ローカル検索結果に表示される可能性が高く」なると説明しています(出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ローカル検索結果で上位に表示されるようにする」)。
手順としては、紙の多言語メニューを撮影して写真に加える、主な料理を一品ずつ料理名つきで登録する、営業時間と定休日を最新にする、の三つから始めると負担が少なく済みます。
ここまでの対策は、すでに店を候補に入れた人に向けたものです。来店する人の数そのものを増やすには、旅行の前に店を知ってもらう入口が別に要ります。
観光庁の調査では、訪日客が出発前に役立てた情報源は「SNS」43.3%、「動画サイト」39.6%、「個人のブログ」23.9%の順でした。国によって差も大きく、韓国の旅行者は個人のブログを42.9%、台湾の旅行者は29.0%が役立てています(出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」)。
同じ調査で、日本滞在中に日本食を食べた人は98.2%で、そのうち95.2%が満足していました。食事は旅の中心です。そして出発前の情報源の上位がSNS・動画・ブログである以上、店を候補に入れてもらう場面の多くは旅の前にあると考えられます。
多言語メニューで「来た人が困らない店」になったら、次は来る前に知ってもらう段階です。韓国ならNAVERブログ、台湾・香港ならInstagram、中国本土ならRED(小紅書)のように、その国の人が読む場所に店の情報を置いていきます。受け入れと露出の全体像はインバウンド対策チェックリストでも整理しています。
英語を土台に、実際に来店の多い国の言語から足していくのが現実的です。台湾・香港のお客様には繁体字、中国本土のお客様には簡体字、韓国のお客様には韓国語を用意します。同じ中国語でも繁体字と簡体字は文字の形が違うため、別々に作ります。
下訳としては便利ですが、公開前にその言語を母語とする人に確認してもらうと安心です。観光庁の令和7年度の調査では、多言語表示に困った人のうち20%が「誤訳があった」、24%が「記載量が原文と比較して少ない」と答えています。料理名だけでなく、食材や食べ方の説明まで伝わっているかを確かめてください。
載せておくことをおすすめします。Paykeの調査では、訪日客の67.10%が飲食店のメニューや営業時間を地図アプリで調べていました。店に入る前にスマートフォンで内容を確かめる人が多いため、紙のメニューの写真や主な料理の写真をGoogleマップのビジネス プロフィールにも載せておくと、来店の判断材料になります。
多言語メニューは、来店したお客様が困らないための準備です。客数を増やすには、旅行前に店を知ってもらう入口も必要です。観光庁の調査では、訪日客が出発前に役立てた情報源はSNS、動画サイト、個人のブログの順で多く、韓国の旅行者では個人のブログが42.9%でした。国ごとに読まれている媒体に店の情報を置くことが次の段階です。
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