「近くのホテルには韓国人観光客がたくさん泊まっているのに、うちの店にはほとんど来ない」——そんな飲食店は少なくありません。原因は料理や接客ではなく、韓国人観光客が店を探す場所に、自店の情報が存在しないことにある場合がほとんどです。
韓国の旅行者は、日本のグルメサイトよりも先に、母国の検索サイトNAVER(ネイバー)のブログ記事を読み比べて行く店を決めます。つまり、NAVERブログ上に自店の体験レビュー記事があるかどうかが、候補に入れるかどうかの分かれ目です。
この記事では、最新の公的統計で韓国市場の重要性を確認したうえで、韓国人観光客の店探し行動と、飲食店が取り組むべきNAVERブログ対策を解説します。
韓国は訪日客数トップの最重要市場
まず数字から確認しましょう。日本政府観光局(JNTO)の報道発表によると、2026年6月の訪日韓国人は78万7,100人(前年同月比+7.8%)で、6月として過去最高を記録しました。2026年上半期(1〜6月)の累計では567万5,100人、前年同期比+18.6%です(出典: JNTO報道発表資料PDF(2026年7月15日))。
市場別に見ても、韓国は2025年10月から継続して訪日客数1位の座にあります(出典: 訪日ラボ)。地理的に近く、週末の短期旅行でも訪れやすいため、リピーターが多いのも特徴です。
食への関心も見逃せません。観光庁「インバウンド消費動向調査」2025年年次報告書では、日本滞在中にしたことの1位は「日本食を食べること」で98.2%(全国籍・地域、複数回答)です(出典: 観光庁 2025年年次報告書PDF)。数が多く、来訪頻度が高く、食を目的に来る——飲食店にとって韓国は本命の市場です。
韓国人観光客は「旅マエ」にNAVERで店を決めている
韓国で圧倒的に使われている検索・口コミ媒体がNAVER(ネイバー)です。韓国の旅行者は訪日前の「旅マエ」の段階で、NAVERで「오사카 맛집(オサカ・マッチプ=大阪のおいしい店)」のように「地名+맛집(マッチプ=おいしい店・グルメの意)」と検索し、ヒットしたブログの体験記事を読み比べて行く店の候補リストをつくります。
実際、CREATIP社とENJOY JAPAN社の共同調査(2024年12月、韓国の10〜50代119名)では、訪日観光の情報収集に使うメディアはNAVERとInstagramが同率1位でした(出典: コマースピック)。※サンプル数の小さい調査のため、あくまで傾向としてご覧ください。
重要なのは、韓国人観光客の多くは日本のグルメサイトをほとんど見ない、という点です。日本の媒体でどれだけ高評価でも、NAVERに情報がなければ「存在しない店」と同じ——これが韓国インバウンド集客の出発点です。
なぜ検索サイトなのに「ブログ」が鍵になるのか
NAVERはGoogleと似た検索サイトですが、検索結果の構造が大きく異なります。Googleが世界中のWebページを広く表示するのに対し、NAVERはNAVERブログ・NAVERカフェ(掲示板)・NAVERマップなど自社サービス内のコンテンツを優先的に表示する傾向が強い媒体です。
つまり「地名+맛집(マッチプ)」と検索した韓国人が最初に目にするのは、お店の公式サイトではなく、実際に訪れた韓国人ブロガーの体験レビュー記事です。写真を多く使い、料理・味の感想・予約方法・行き方まで韓国語で詳しく紹介するのが定番スタイルで、読者はこれを「広告ではない生の口コミ」として参考にします。
逆に言えば、ホームページを韓国語化してもNAVER検索の主戦場にはほとんど露出できません。韓国人に見つけてもらうには、NAVERブログの中に自店を紹介する記事があることが最も効果的なルートなのです。
「パワーブロガー」はもう存在しない——現在はインフルエンサー認証制度
NAVER対策を調べると「パワーブロガーに紹介してもらう」という情報を目にすることがありますが、注意が必要です。NAVERの「パワーブロガー」公式認定制度は2016年に廃止済みで、現在は「NAVERインフルエンサー」という検索連動型の認証制度に移行しています。
現在のNAVERインフルエンサーは、旅行・グルメなど分野ごとにNAVERが審査・認証するクリエイターです。古い情報のまま「パワーブロガー」を探すと、実態と合わない相手選びをしかねません。
飲食店として押さえるべきことはシンプルで、「誰に書いてもらうか」で記事の露出も説得力も変わるということ。フォロワー数だけでなく、グルメ・日本旅行分野での活動実績や記事の質を見て依頼先を選ぶことが大切です。
飲食店が取り組むNAVERブログ対策——自社運用とブロガー起用の2つの道
NAVERブログに自店の情報を載せる方法は、大きく2つあります。
方法1:自社でNAVERブログを開設・運用する
店舗アカウントでブログを開設し、韓国語で発信する方法です。費用を抑えられる一方、ネイティブレベルの韓国語と継続的な更新体制が必要で、店舗自身の発信は「広告」として読まれるため口コミとしての説得力は限定的です。
方法2:韓国人ブロガーに来店・体験してもらいレビュー記事を書いてもらう
現地の韓国人ブロガーを店舗に招き、実際に食事を体験したうえで、本人のブログにレビュー記事として紹介してもらう方法です。読者と同じ目線の体験談として信頼されやすく、ブロガー自身の読者にも直接届きます。店側の負担は当日の受け入れ対応が中心で、韓国語ができなくても実施できます。
実務では方法2の「来店型レビュー」が主流です。複数のブロガーの記事を積み重ね、「検索すると何本もレビューが出てくる店」の状態をつくることが露出と信頼の両面で効果的です。
NAVERブログ対策を成功させる3つのポイント
ブロガー起用型のNAVERブログ対策を行う際は、次の3点を押さえましょう。
ポイント1:検索されるキーワードを想定して依頼する
「地名+맛집(マッチプ=おいしい店)」「地名+業態(스시=寿司、야키니쿠=焼肉など)」といった、韓国人が実際に検索する組み合わせを想定し、記事タイトルや本文に自然に入るよう設計します。
ポイント2:予約方法・行き方など実用情報まで載せてもらう
予約の可否と方法、最寄り駅からの行き方、営業時間・定休日、支払い方法などの実用情報が揃った記事は保存・共有されやすく、来店への転換につながります。
ポイント3:広告表記のルールを守る
店舗提供でレビューを依頼する場合、韓国でも日本でも、提供を受けた投稿であることの表示が求められます。表記を省いた投稿は発覚すれば店の信頼を損なうため、依頼時に表記ルールを確認し誠実に運用しましょう。
まとめ:韓国人観光客の集客は「NAVERで見つかる店」になることから
本記事のポイントを整理します。
- 韓国は訪日客数1位の最重要市場。2026年上半期は567万5,100人(前年同期比+18.6%)と過去最高ペース
- 韓国人観光客は旅マエにNAVERで「地名+맛집(マッチプ)」と検索し、ブログの体験記事で店を決める
- NAVERは自社サービス優先の検索構造のため、公式サイトよりもNAVERブログ内のレビュー記事が露出の鍵
- 「パワーブロガー」制度は2016年に廃止済み。現在はNAVERインフルエンサー認証制度
- 実務は韓国人ブロガーの来店型レビューが主流。キーワード設計・実用情報・広告表記の3点を押さえる
国別のインバウンド対策全体を知りたい方は、飲食店の国別インバウンド対策ガイドもあわせてご覧ください。
RED BOOSTは、NAVERブロガーの来店型レビューを軸に、数十店舗の飲食店の韓国人観光客集客をお手伝いしてきました。ブロガー選定から交渉・来店調整・記事化まで一貫して代行します。お気軽にご相談ください(韓国NAVERブロガー集客サービスの詳細はこちら)。